コンフォーマルコーティングとは

- 基礎知識から作業工程における課題の解決策までご紹介

身の周りにあふれているあらゆる電子機器類に欠かせない「基板」。高機能・高密度化にともない、部品として製品を安定して動作させるための信頼性がますます重要となってきています。その基板や電子部品には、絶縁不良やゴミ、湿度、腐食などを生じさせる外部環境から守るための技術「コンフォーマルコーティング」がかかせません。しかし現在、作業工程の中でコーティングを手作業で実施していることも多く、そこに様々な課題があるケースは少なくありません。
そこで今回は、コンフォーマルコーティングの概要と共に、高精度での塗布を可能とする自動化技術を具体的にご紹介します。

目次

  1. コンフォーマルコーティングとは
  2. コンフォーマルコーティングの種類
  3. コンフォーマルコーティングの課題とは
  4. コンフォーマルコーティングの課題解決のカギは自動化技術の精度
  5. まとめ

コンフォーマルコーティングとは

コンフォーマルコーティングとは、基板や電子部品などの表面を、専用の液剤を塗布してコーティングすることをいいます。

目的は、埃をはじめとした異物や水分、ガス、その他の汚染物質や腐食性物質から塗布面を保護することにあります。

電子機器が日進月歩で進化を続ける中、現在は身近なスマートフォンから特殊な産業機械にまで、電子機器が組み込まれています。電子機器の高機能・高密度化にともない、基板の安定した動作への需要はますます高まる一方で、絶縁不良やゴミ・導電粒子、湿度、腐食、外部からの熱、細菌などから守る必要があります。

基板コーティングの方法基礎知識

基板コーティングは、電子基板を保護し、その性能や耐久性を向上させるための重要なプロセスです。コーティングは、湿気、塵、化学物質、および機械的損傷から基板を守る役割を果たします。以下に代表的なコーティング方法をいくつか紹介します。

1. ディップコーティング
基板をコーティング液に浸し、引き上げることで均一な膜を形成する方法です。簡便でコスト効果が高いですが、液の粘度や引き上げ速度により膜厚が変わります。

2. スプレーコーティング
コーティング液をエアブラシやスプレーガンで基板に吹き付ける方法です。複雑な形状の基板にも均一にコーティングが可能ですが、マスキングが必要な場合があります。

3. ブラシコーティング
ブラシを使用して手動でコーティング液を塗布する方法です。小規模なプロジェクトや修正作業に適していますが、大規模な生産には不向きです。

4. スピンコーティング
基板を高速回転させ、コーティング液を均一に広げる方法です。主にフォトレジストの塗布に使用され、高精度な膜厚制御が可能です。

5. ディスペンスコーティング(コンフォーマルコーティング)
自動ディスペンサーを使用してコーティング液を基板の特定部分に塗布する方法です。精密な塗布が可能で、量産に適しています。

6. 真空蒸着
高真空環境下でコーティング材料を蒸発させ、基板に薄膜を形成する方法です。高純度で均一な膜を得ることができ、電子デバイスの製造に広く使用されます。

コンフォーマルコーティングの種類

コンフォーマルコーティングには全面塗布と部分塗布があります。

1.全面塗布
幅広スプレーで広範囲をコーティングします。
2.部分塗布
コーティングしたい部分のみ、狭い範囲で正確にコーティングします。部分選択塗布のできる機械を使用すれば、非接触の微細塗布機能によって塗布禁止エリアを避け、きれいなエッジの線で塗布ができるため、狭小エリアでもマスキングなしで塗布することが可能です。

また、コーティングの液剤にもアクリル系、オレフィン系、シリコン系、ウレタン系、フッ素系などの複数の種類があり、それぞれ汎用性や耐性、塗布後の膜の厚さが異なるため、コーティングを行う対象によって適切なものを選び使用します。

コンフォーマルコーティングの課題とは

現在のコンフォーマルコーティングの作業工程では、様々な課題があります。ここでは、主な課題をご紹介します。

・手作業による精度のバラつきや人件費
コーティングを手作業で実施していることで、作業者による塗布精度や塗布の厚みにバラつきが出る点や、生産数が限られてしまう点、人手を利用するための人件費がかかる点などが課題としてあります。
・自動化を進めたいが具体的な導入方法がわからない
手作業の精度やコスト面での非効率さを感じており、自動化の必要性があるものの、具体的な導入方法がわからないといったこともあります。
・自動化はしているが精度が低い・安定しない
コンフォーマルコーティングの機械を導入し、自動化はしているものの、微細な塗布を行いたい場合に対応できなかったり、気泡ができるケースがあり、品質が安定しなかったりすることがあります。

コンフォーマルコーティングの課題解決のカギは自動化技術の精度

コンフォーマルコーティングの課題を解決するためには、「自動化」「精度」「効率化」が解決のカギとなります。つまり重要なのは、いかに精度の高い技術を導入するかということです。

ノードソンが提供するコンフォーマルコーティング自動化技術は、お客様のコスト削減や品質向上、環境安全性の向上といったニーズに合わせた、システム導入が可能です。

・低コスト
従来の手作業による低生産性を改善し、材料の使用量削減を行うことで、コスト削減のお手伝いをいたします。
・高品質
ノードソンのコンフォーマルコーティング機器は、塗布ムラや塗布禁止エリアへのはみ出し、気泡混入等を抑え、精度高く実施することができることから、コーティングの信頼性を高めます。また、狭小エリアに対しては、マスキングなしの部分選択塗布が可能です。
・環境安全
皮膚障害を防ぎ、液剤の使用量を低減させることで、環境安全性を改善します。
・ワンストップソリューション
コーティングは全面塗布から部分塗布、マスキングの実施まで、ワンストップでご提供します。また液剤は低粘度から高粘度まで、様々な対象に対応します。
・世界標準技術を背景とした50年以上の実績
ノードソンは、世界35カ国以上に拠点を持つグローバルカンパニーであり、世界中の製造拠点に、業界最高水準の製品とサービスをご提供しております。50年以上にわたり、接着、コーティング関連機器のマーケットリーダーとして、日本のお客さまとのパートナーシップを築き、世界標準の技術をお客さまのあらゆるニーズに合わせてご提供してきた実績があります。

まとめ

生産現場の効率化が進められる中、コンフォーマルコーティングの自動化も随時行われています。そうした中、いかに自社製品に合った精度の高い自動化技術を導入するかが重要になってきています。
ノードソンのコンフォーマルコーディング技術は、高精度、豊富な実績、環境・ニーズ適応性などの点でお客様のご要望を叶えます。ぜひ詳細はサービス詳細ページをご覧ください。

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