食品容器製造時の課題とは?

- 解決のポイントを解説

食品容器製造業において、近年はサスティナビリティが世界的に追求されている中で、プラスチック容器関連について大きな変化と選択が迫られていると考えられます。
今回は、サスティナビリティへの対応も含めた食品容器製造におけるよくある課題と課題を解決するポイント、食品容器製造の課題解決の具体例をご紹介します。

目次

  1. 食品容器製造におけるよくある課題
  2. 食品容器製造の課題を解決するポイント
  3. 食品容器製造の課題解決の具体例
  4. ノードソンのエアレススプレーなら効率化につながる
  5. まとめ

食品容器製造におけるよくある課題

食品容器製造においては、次のような課題が生じているといわれています。

●熟練工に依存しており品質維持に懸念がある
製造業全般にいえる課題ですが、熟練工に技術を依存しており、新人などの作業員との技術格差が生まれているケースはめずらしくありません。また熟練工の高齢化や技術伝承課題もあり、品質維持に懸念が生じています。

●自動化を検討しているが費用対効果に不安がある
人手不足を背景に、省人化を図るべく自動化を検討している工場は多くあると思われます。しかし実際に導入した際の費用対効果がわからず、導入コストだけがかさむのではないかと不安に感じてしまうケースは少なくありません。

●容器の素材の脱プラを図りたい
近年、容器に関連した大きな課題として、脱プラスチック化が求められている点があります。その背景として、プラスチックを使用することによる地球環境への悪影響が問題視されていることが挙げられます。

特にプラスチックごみが海洋に流出していることが世界的に大きな問題となっています。プラスチックごみによる海洋汚染は地球規模で進んでおり、毎年約800万トンのプラスチックごみが海洋に流出しているという試算(※)があります。海洋ごみは生態系を含めた海洋環境の悪化を招いており、様々な問題を引き起こしています。

また、プラスチックごみを焼却処分する際に発生するCO2による地球温暖化への影響も問題視されています。こうした問題を背景に、世界的に進む脱プラスチックの動きに対して、プラスチック容器を多く製造している場合には、素材を見直す必要が出てきています。

※環境省「令和元年版 環境・循環型社会・生物多様性白書

●環境に配慮した容器素材の新規開発の必要性
脱プラスチックを進めると共に検討しなければならないのが代替素材です。環境に配慮した容器素材といえば紙容器が挙げられます。また、植物をはじめとした再生可能な有機資源を原料とするバイオマスプラスチック製の容器は最終的にCO2と水にまで分解する生分解性を持つため、注目を集めています。容器製造の分野においては、このようなサスティナブル資材を積極的に新規開発していく必要性に迫られています。

これらの課題解決策を大まかに分類すると、「効率化・自動化」と「環境配慮」の2つに分けられると考えられます。

食品容器製造の課題を解決するポイント

食品容器製造の課題を解決するには、どのような方法があるのでしょうか。「効率化・自動化」と「環境配慮」の課題それぞれを実現するポイントをご紹介します。

【効率化・自動化】
●自動化システムの見直し・刷新
すでに自動化している機械については見直しや刷新を行うことが一つの方法です。老朽化している機械や、さらに効率的な技術が生まれている可能性も考えられるためです。また一部を自動化している場合は、さらに自動化できる工程がないかを洗い出すこともポイントといえます。

●機械やシステムの費用対効果を事前に検証する
自動化の費用対効果に不安がある場合、導入前に実際に運用テストを実施してみることで、効果検証を実施できます。事前に検証すれば安心して導入できるでしょう。

【環境配慮】
●紙や新素材でも食品容器としての機能を下げない工夫を行う
環境配慮面については、脱プラの代替素材の検討やサスティナブル素材の新規開発に取り組む中、食品容器としての機能を下げない工夫を行うのもポイントです。

「効率化・自動化」と「環境配慮」の課題は、同時に解決のための対策を実施することで、全体としての生産性向上や利益率向上につながると考えられます。

食品容器製造の課題解決の具体例

食品容器製造の「効率化・自動化」と「環境配慮」の課題を同時に加味して解決するためには、どのような方法があるのでしょうか。具体的な事例を一つご紹介します。

●紙容器への防湿材コーティングの具体例

紙容器をプラスチックの代替素材として採用する場合には、紙容器の油分や水分に弱い性能を向上させることが求められます。その際に、よく実施されるのが、耐油性、耐水性のコーティングです。

紙容器に対して、防湿材コーティングを実施することが一つの方法となります。

このとき、手作業でコーティング作業を実施するところを自動化することを考えてみましょう。ただ自動化するのではなく、品質向上も検討する必要があります。

そこで有効なのが、均一に塗布できる性能の高いエアレススプレーガンを複数組み合わせることです。これにより、容器の壁面や底面を満遍なく、薄く均一に塗り分けることができます。

エアレススプレーとは、直接塗料には空気を当てず、吹出口を狭く絞って圧力をかけることで霧状にする仕組みを持つスプレー方式です。ちょうど、水道につないだホースの先端を指でつまむと水しぶきとなるのと同じ原理です。この方式により、直接塗料に空気を当てるエアスプレーと比較して対象物以外の場所に飛散する量が低減できることから、塗布効率が高くなります。

このように、脱プラを図りながら品質の高い紙容器の製造を自動化・効率化することにより、生産性向上や企業の成長につながります。

ノードソンのエアレススプレーなら効率化につながる

塗布効率の高いエアレススプレーによって自動化することで、食品容器製造の効率化につなげる際におすすめなのが、ノードソンの「A7A 自動エアレス スプレーガン」です。

●A7A 自動エアレス スプレーガン
エアレススプレー式を採用しているこのスプレーガンは、微細なスプレーと制御技術によりオーバースプレーを最小限に抑え、高品質の仕上がりを実現します。また高速応答時間 (30~40ミリ秒) と高速サイクル機能 (毎分最大2500サイクル)を実現し、スピードを保持しながら高い性能を発揮します。

このシステムには、独自のスプレーノズル、スプレーガン、ノズル、ヒーター、フィルターなどが含まれており、すべてが一貫した品質と信頼性の高いパフォーマンスを提供するように設計されています。そのため、食品容器製造現場の厳しい生産要件を満たします。

まとめ

食品容器製造業においては、近年、多様な課題に直面しています。主な課題である自動化・効率化と環境配慮の観点から、ぜひ貴社にとって最適な課題解決策を見つけてください。

ノードソンでは、今回ご紹介した「A7A 自動エアレス スプレーガン」をはじめとした食品コーティングソリューションをご提供しており、食品産業の課題解決、生産性向上のお手伝いをしたいと考えております。

紙容器の防湿剤コーティングの事例のほか、塗布工程について何かお困りのことがございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。

関連ソリューション

Solutions

関連アプリケーション

Application