電気自動車用バッテリーの種類やそれぞれの特徴を徹底解説!
目次
電気自動車用バッテリーとは?
電気自動車用バッテリーの特徴を解説します。
●電気自動車が駆動する仕組み
電気自動車は、バッテリーから電気を供給してモーターが駆動する仕組みになっています。電気自動車の駆動系には、バッテリー、モーター、インバーター、制御装置などが挙げられます。バッテリーから供給される電気でモーターを駆動し、車輪に直接、またはギアを介して動力を伝えます。
バッテリーは電気自動車の動力源であり、ガソリン車のエンジンに相当する重要なパーツです。
バッテリーにはセルとモジュールとパックという3つの単位があります。まずセルという最小単位があり、そのセルを直列または並列に並べた集合体をモジュール、複数のモジュールを接続し、システムパッケージとしてまとめたものをパックと呼びます。
●電気自動車用バッテリーの配置と用途
バッテリーパックは、車体の底面に配置されています。主に駆動用と補機用の2種類があり、それぞれ搭載されています。
駆動用バッテリーとは、車を駆動させるのに電気を供給する役割があり、補機用バッテリーはライトやパワーウィンドウ、オーディオ機器などに電気を供給する役割があります。
●電気自動車用バッテリーの容量
バッテリー電力量は「kWh(キロワットアワー)」や「Ah(アンペア・アワー)」で表されます。
一般的なEVのバッテリー容量は40kWhのこともあれば60kWhのこともありさまざまです。
電気自動車用バッテリーの種類
電気自動車用バッテリーには、原料の違いからさまざまな種類があります。それぞれの特徴を見ていきましょう。
●リチウムイオン電池
駆動用バッテリーに多く利用されているのがリチウムイオン電池です。電解液は主にリチウム塩と有機溶媒で構成されており、リチウムイオンによって放電や充電を行います。
エネルギー密度が高く、高電圧かつ大容量という特徴を持ちます。コンパクトでありながら寿命が長く、充電速度も早めといわれています。この特性から近年はよく高性能な電気自動車用バッテリーに利用されています。
形状による違いとして円筒型、パウチ型、角型の3種類があります。
●ニッケル水素電池
正極にオキシ水酸化ニッケル、負極に水素吸蔵合金が用いられ、電解液は水酸化カリウムを主体とするアルカリ性水溶液を使用します。有害物質を含んでいない点から環境にやさしいバッテリーとして注目されています。低温に強いことから、雪国で使用されるような4WD車に利用されています。また、比較的コストが安価に済むため、低価格のコンパクトカーなどにも利用されています。
●ニッケルカドミウム電池
正極はオキシ水酸化ニッケル、負極はカドミウムであり、電解液は水酸化カリウム水溶液のアルカリ蓄電池です。軽量で製造コストが比較的安価ですが、過放電に弱く、熱暴走が起こりやすいのが欠点です。カドミウムは有害物質であり、環境負荷への懸念があることから、日本では使用済み電池の回収・リサイクルが進んでいます。また、より高いエネルギー密度のリチウムイオン電池やニッケル水素電池に取って代わりつつあります。
●鉛蓄電池
鉛を電極とし、希硫酸を電解液とする電池です。原材料となる鉛の資源は豊富であることからコストを抑えられます。また大電流を扱えることや、安定した放電が可能な点が特徴です。安全面でも優れています。
一方、放電時に硫酸が消費され、電極には硫酸鉛が生成されることから、万が一破損などで漏れてしまった際には強酸であることから人体に対しての危険性や、環境への影響が懸念されます。他の種類の電池と比べて劣化が早く寿命が短いという難点もあります。
●全固体電池
固体の電解質を特徴とする電池です。上記にご紹介したものはすべて液体の電解質のバッテリーです。この液体タイプと比べると、発火や爆発のリスクが低いとされています。大容量を実現できるほか、急速充電が可能であるなど数多くのメリットがあります。まだ研究段階であるため、採用実績は多くありませんが、今後、量産されていく可能性があります。
近年は、液系電池と全固体電池の特性を組み合わせた新しいタイプの半固体電池が注目されています。電解質はゲル状または粘度や樹脂のような硬さの物質であることから、液体よりも安定性や安全性を大幅に高められます。さらに、エネルギー密度の向上から、高出力化や充電時間の短縮化にもつながるといわれています。
●燃料電池
水素と酸素の化学反応によってエネルギーを得る電池です。排出するのは水だけで、CO2を排出しないクリーンな電池です。燃料電池に使われる水素は水素ステーションから、酸素は外気より供給されます。
燃料電池で動く車は電気自動車の一種ですが、外部から水素や酸素を補給するしくみから、燃料電池車(FCV:Fuel Cell Vehicle)として区別されることもあります。
電気自動車用バッテリーの課題
電気自動車用バッテリーにまつわる課題については、次のものがあると考えられます。
●原材料となるリチウムやコバルトの不足
特にリチウムイオン電池などのバッテリーの原材料に必要なリチウムやコバルトの不足が深刻化しています。価格高騰などを背景に、電気自動車の普及の妨げになると考えられています。
●リチウムイオン電池のリサイクル・リユースの技術革新と体制づくり
リチウムイオン電池といえば、家庭用にも使用されており、再資源化のサイクルが確立されています。熱処理などを通じてコバルトやニッケルなどのレアメタルになります。
しかし電気自動車用バッテリーのリチウムイオン電池は、複雑な構造であり大型のため、家庭用と同様の再資源化ルートが整っていません。一部のメーカーでは再資源化の試みを行っていますが、まだ発展途上といえます。今後、多くのメーカーが取り組むことで、日本における再資源化のサイクルが整っていくのではないでしょうか。
ガソリン車と比べると、電気自動車は走行時のCO2排出量が抑えられますが製造段階だけを比べるとリチウムイオン電池は環境負荷が高く、電極の乾燥プロセスにおいて多くのエネルギーを要し、CO2排出量が大きくなることに懸念があります。
●バッテリーの検査の強化による品質向上
電気自動車の性能向上は、普及に向けた条件となります。バッテリーの検査を強化することで、性能を向上させる取り組みが注目されています。ここでもリサイクルやリユースの可能性があります。
回収した使用済バッテリーも、点検してセルの一部だけが損傷していることがわかれば、一部だけを交換することでリユースが可能になります。点検や検査を強化することは、リサイクルやリユースの体制づくりにもつながるということです。
電気自動車用バッテリー製造を効率化・コスト削減につなげるには?
多くの課題を受け、電気自動車用バッテリー製造時においては、高性能の電気自動車を製造するためにも品質向上とコスト削減を両立させることが重要といえるでしょう。そこで、業務効率化とコスト削減につながる製造のポイントをご紹介します。
●バッテリー製造の自動化でリードタイムの短縮と生産効率向上を目指す
近年、バッテリー製造工程においても他の製造工程同様に自動化が進んでいますが、まだ手作業に頼っている工程もあります。今後は、より効率化を進めるためにも高度な機能を有するシステムを導入することで、リードタイムの短縮と生産効率向上につながるでしょう。
一つの例として、接着剤やコーティング剤などの「塗布」を高精度なソリューションで自動化する方法があります。この自動化技術により、高精度かつ効率的な塗布が可能になります。
●材料のムダを最小限に抑制しコストを削減
コスト削減についても、自動化が一役買います。まず自動化による省人化で人件費の面でコスト削減が可能です。そして材料のムダを最小限に抑制することでもコスト削減は可能です。例えば、パッキンを使わず接着剤塗布に代替することで、パッキン代を削減できます。
●自動化技術で需要の拡大に伴う増産体制の構築
今後、電気自動車の需要が拡大していく見込みがありますが、早期から自動化しておくことで、増産体制の構築につながります。特に人手不足の課題が大きい中、大きな助けになるでしょう。
まとめ
電気自動車用バッテリーの概要や製造の効率化・コスト削減の方法をご紹介しました。
今回ご紹介した自動化ソリューションの例は、世界で100万台以上の電気自動車に電力を供給している主要バッテリーメーカーの多くに採用されているノードソンのサービスです。
接着剤、コーティング剤、シーラント剤、熱伝導材料等の高精度で効率的な塗布により、電気自動車用バッテリー製造における自動化を促進します。
精密塗布技術ソリューションは、あらゆる段階「構成部品製造」「セル製造」「モジュール製造」「バッテリーパックアセンブリー」「プロダクトインテグレーション」において 電気自動車(EV)のバッテリー製造の生産工程を改善します。
またノードソンのソリューションにより、「バッテリーの電極重量測定」や「燃料電池のメンブレン重量測定」、また「バッテリーモジュールのスタッキング」や「バッテリーのパウチスタッキング」等も実施可能です。ぜひお気軽にご相談ください。





