食品製造における油塗布時の課題とは?

- 解決策もご紹介

食品製造工程において、油を塗布するシーンは数多くあります。その工程において、何らかの課題を抱えていませんか。

特に、油塗布の均一性や衛生面に関する塗布における課題は、製造現場でよく挙がる問題です。従来の手作業や簡易的な塗布機では、食品への均一なオイルの塗布が難しく、製品品質にばらつきが生じることがあります。

また、スナック菓子やパンの製造工程では、食品のコーティング技術の精度が求められます。たとえば、スナック菓子への油塗布では、食感や風味に影響を与えるため、適切な油塗布用のスポンジや塗布機の選定が重要です。今回は、食品製造における油塗布に関するよくある課題と、その解決策をご紹介します。

特に、最新の自動化技術を活用した潤滑油の塗布や油脂コーティングによる効率化についても解説しますので、ぜひ参考になさってください。

目次

  1. 食品製造における油塗布が必要なシーン
  2. 食品製造における油塗布の方法
  3. 食品製造における油塗布時の課題
  4. 食品製造における油塗布時の課題の解決策
  5. ノードソンの食品コーティングソリューションなら課題を解決可能
  6. まとめ

食品製造における油塗布が必要なシーン

食品製造において油の塗布が必要なシーンといえば、次のシーンが挙げられます。

●スナック菓子の表面への油塗布
スナック菓子の表面に油を塗布するシーンです。スナック菓子に対して表面を油でコーティングする際には、スプレーなどを用いて油を塗布するでしょう。品質の安定化などが期待されています。油の塗布量や均一性は、食感や風味の向上にも影響を与えます。過剰な塗布はべたつきの原因になり、不均一な塗布は品質のばらつきを引き起こすため、精度の高い塗布技術が求められます。近年では、エアレススプレーなどの技術を活用し、必要な量を的確に塗布することで歩留まりを向上させる取り組みが進められています。

●菓子やパンを焼成する際の離型油(りけいゆ)としての塗布
菓子やパンを焼成する際に、スポンジなどの生地が鉄板や容器にくっついてしまわないように離型油を使用するシーンが挙げられます。型離れがよくなる効果が期待できます。最適な離型油の選定が求められるでしょう。

●健康食品への油脂コーティングの際の塗布
ビタミンなどの栄養素を錠などに閉じ込めた健康食品にも、油脂コーティングが行われます。品質の安定化や味のマスキング、吸湿防止などの機能を付与することができます。近年、油脂コーティング技術は大きく向上しており、製品の品質向上に寄与しています。

●調味料ボトル内側への潤滑油としての塗布
調味料のボトルにおいては、内部の材料がボトルの内部に付着してしまい、最後まで使い切れなくなる課題があります。しかし食用の潤滑油を塗布することで、ボトル内に残る材料を削減することができます。

このように、食品製造において油塗布には品質の安定化や向上といった重要な意味があることから、さまざまなシーンで行われています。

食品製造における油塗布の方法

食品製造の際の油塗布は、製品の品質や風味を向上させるために重要な工程です。油塗布の方法は、製品の種類や油の粘度等によって異なりますが、以下に代表的な方法を紹介します。

1. スプレー塗布
スプレー塗布は、液体油を均一に分散させる方法です。エアブラシや専用のスプレー装置を用いて、製品に細かい油の霧を吹き付けます。この方法は、油の量を調整しやすく、複雑な加工がされている食品もムラなく塗布できる利点があります。

2. ブラシ塗布
ブラシ塗布は、手作業で油を塗る方法です。ペストリーブラシやシリコンブラシを用いて、製品の表面に油を塗ります。パイ生地やクロワッサンなど、細かい部分まで油を行き渡らせたい場合に適しています。手作業のため、均一性には技術が求められますが、細部まで丁寧に塗布できる利点があります。

3. ディップ塗布
ディップ塗布は、製品を直接油の中に浸す方法です。フライドポテトやドーナツなど、油で揚げる製品に適しています。製品全体に油が行き渡るため、均一な仕上がりが期待できますが、油の温度管理が重要です。温度が適切でないと、製品が油を吸い過ぎたり、逆に油が均一に付着しないことがあります。

4. ローラー塗布
ローラー塗布は、回転するローラーに油を付けて製品に転写する方法です。パンの表面に卵液を塗る際や、製品の表面に薄く油膜を作りたい場合に使用されます。ローラーの素材や形状を選ぶことで、塗布の厚さや範囲を調整できます。

以上の方法は、それぞれの製品や目的に応じて使い分けられます。また、これらを自動化することにより、リアルタイムの情報がデータ化され、より効率的な生産を実現するために役立てられている例もあります。適切な油塗布方法を選ぶことで、製品の品質向上や製造効率の改善が可能となります。

食品製造における油塗布時の課題

食品製造の油塗布のシーンにおいては、次のような課題があるといわれています。

●エアスプレーを使用しているが、油の飛び散りで材料のロスが多く非効率
油塗布の際、空気(エア)を塗料などの液体に直接当てて霧状にするエアスプレーを利用しているケースでは、霧状に広がる油が塗布対象である食品だけでなく周囲にまで飛び散ってしまうことがあります。飛び散った油の材料費のロスにつながってしまい、非効率な状況になっていることがあります。

●床やダクトを汚染し、清掃作業に時間がかかる
油が飛散しやすいエアスプレーを利用していると、材料ロスだけでなく床やダクトにも広がることから、清掃しなければなりません。特に油は除去しにくいこともあり、清掃作業に思わぬ時間が取られてしまうといった課題もあります。

●職人の技術に依存するため、安定した品質の確保がむずかしい
油塗布に限らず、食品製造技術全般において熟練の職人による技術に頼る形で長年継続してきた場合に、新人との技術格差が大きくなってしまうのは避けられません。近年は熟練の職人の高齢化や人手不足の背景から、技術伝承が困難になっていることもあり、安定した品質の確保がむずかしくなっていることもあります。

●均一に塗布できない
油を塗布する際に、手作業による塗布や、塗布機によっては油を均一に塗布できないこともあります。これでは油による機能が期待できず、効果が失われてしまいます。

●はけやロールによる塗布は衛生面で不安がある
油をはけやロールなどで塗布する場合には、直接食品に塗布されることになるため、異物混入の恐れがあり、衛生面で不安が残ります。 

●自動化したいがコストや環境整備面のハードルが高い
油塗布の自動化を検討してはいるものの、「導入コストや費用対効果、機械を導入する環境整備がむずかしい」などのハードルが高いイメージを持ってしまいがちです。

●自動化したいが、ノズルが特殊でシステムが対応できるかわからない
油塗布に使用している塗布機のノズルが特殊であることから、他の機械に入れ替えたときに塗布の品質が下がってしまうのではないかという懸念もあるでしょう。

食品製造における油塗布時の課題の解決策

食品製造における油塗布の課題は、どのように解決できるのでしょうか。主な課題解決策をご紹介します。

●エアレススプレーを使用する
エアレススプレーを利用して油塗布を行う方法です。エアレススプレーとは、液体にはエアを当てず、吹出口を狭く絞り、圧力をかけることで液体を霧状にするものです。エアレススプレーは塗着効率が高く、エアスプレーと比較して作業効率が高いといわれています。主に次のメリットが期待できます。

・塗布効率向上・汚れにくい
エアスプレーと比べて油の飛散が少ないため、材料ロスも低減できることから、塗布効率が向上します。一般的なエアスプレーの塗布効率は25-50%であるところ、エアレススプレーの塗布効率は60-90%です。さらに周囲が汚れにくいことから、清掃時間の短縮につながります。

・均一に塗布できる
エアレススプレーは少ない材料で均一に塗布できるメリットがあります。そのため、油塗布の機能性を付与することができます。

・自動化により品質安定化につながる
エアレススプレーを用いて作業を自動化することで、品質維持を一部の職人に依存することがなくなる上に、高度な技術も不要となります。結果的に、品質安定化につながるでしょう。

・非接触式であるため食品の衛生を保てる
エアレススプレーは、はけやロールと異なり非接触式であるため、衛生的です。

●特殊な離型油を利用して清掃性を高める
周囲への飛散によって床などが汚れてしまう課題については、汚れにくい酸化安定性の高い油など、特殊な配合の離型油を利用する方法も考えられます。

また、自動化を足踏みしてしまう課題に対しては、一度自動化システムを試験運用する機会を設けることが重要です。一定期間利用することで、導入効果がどの程度出るかを確認することができます。導入前のテストを行える事業者に相談しましょう。

ノードソンの食品コーティングソリューションなら課題を解決可能

ノードソンの食品コーティングソリューションなら、食品製造における油塗布の課題を解決できます。主な理由をご紹介します。

●塗布効率向上・材料ロス削減
必要な範囲にだけ正確に塗布できるエアレススプレーを採用しているため、周囲への飛散を最小限に抑えられます。

●省人化を実現
自動化技術の導入により、塗布効率向上、および生産性向上につながるため、人手不足や安定品質についての課題も解決できます。

●消耗部材の長寿命化にも貢献
ノードソンのエアレススプレーなら、空気中への飛散も少ないため、ダクトフィルターなどの消耗部材の長寿命化にも貢献します。

●導入前にラボテストによる導入効果の検証が可能
ノードソンでは、導入前にラボテストを行うことが可能であるため、導入効果を検証の上、最適な形で自動化を進めることが可能です。

まとめ

食品製造における油塗布は重要な工程の一つであることから、課題は大きいですが、解決を進めることで製造全般において大きな効果が期待できると考えられます。ノードソンの食品コーティングソリューションを利用することで、油塗布をはじめとした塗布工程の効率化につながります。

特に、塗布の均一化や飛散の防止、省人化による作業効率の向上といった面でも大きなメリットがあります。最新の塗布機を活用することで、品質の安定化とコスト削減を同時に実現することが可能です。

ご興味のある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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